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糖尿病網膜症について

こんにちは。望月眼科の権藤です。

みなさん、糖尿病ってよく聞く病気ですが、その合併症についてはご存知ですか?
糖尿病の初期は自覚症状がほとんどないので、気付いた時にはかなり進行し「網膜症」「神経障害」「腎症」などの合併症が生じていることがあります。合併症の覚え方はし・め・じ(神経・眼・腎臓)です。🍄この順に発症率が高いです。

 

今回は糖尿病網膜症と検査についてお話しします。

 

まずは糖尿病網膜症が発生するメカニズムについてご説明します。
眼の一番奥、眼底には網膜という神経の膜があり、多くの毛細血管があります。なぜ眼に合併症が出るかというと、糖尿病の患者さんの血液は糖が多く、固まりやすい状態になっているため、毛細血管を詰まらせたり、出血したりします。そして血流が悪くなり、網膜に酸素や栄養が不足し、糖尿病網膜症の原因となります。進行した場合は硝子体で大出血がおこり、重篤な視力障害をきたす場合もあります。
糖尿病網膜症は、網膜の状態などから進行の段階が3つに分けられます。初期の段階ではほとんど自覚症状がないため、眼の異常に気付くことは難しく、眼科で定期検査を受けることが大切です
①単純網膜症

 

②増殖前網膜症

 

③増殖網膜症

 

※画像は日本糖尿病眼学会より転載

 

治療には血糖コントロール(食事、運動、薬物療法)や、レーザー光凝固術、硝子体手術があります。
内科などのかかりつけ病院で血糖値や尿糖、HbA1cなどの定期検査を受けられていると思います。HbA1cというのは過去1-2カ月の平均的な血糖の状態がわかる検査項目です。よく病院では血液検査の時は食事なしで採血しますよね。血糖値や尿糖値は食事のあり・なしで数値が大きく変わり、食後は高く、空腹時は低くなります。しかしこのHbA1cは食事の影響を受けません。年末年始でついつい美味しいものやお酒の暴飲暴食もHbA1cの検査でバレちゃいます…Σ(゚д゚lll)
合併症の予防にはHbA1c⒎0%未満が目標となります。
※画像は日本糖尿病学会より転載

 

当院では定期検査として視力、眼圧、眼底検査を行なっています。眼底写真は超広角走査レーザー検眼鏡(Optos Daytona)を使用しています。

 

通常、眼底写真は散瞳(目薬で黒目を大きく)した状態で行いますが、この機器は無散瞳で眼底の80%以上の領域を撮影することができ、患者さんの負担を大幅に軽減します。

 

気になる方は一度眼底検査を受けてみてはどうでしょうか?
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