眼瞼下垂

当院の眼瞼下垂手術

眼を開けても瞼(まぶた)がぱっちりと開かず、見えにくい状態が眼瞼下垂です。 年齢を重ねるとともに眼瞼下垂になる方もいらっしゃいますが、ハードコンタクトレンズを長期間装用されていると若い方でも眼瞼下垂になることがあります。

ときに、神経の病気などで瞼(まぶた)が下がってくることもあります。そのような病気が疑われる場合は、まずは他科で神経疾患や代謝疾患等の有無の精査、またMRI検査等が必要となります。

そうでない場合は、手術をして瞼(まぶた)が開くようにすることがあります。手術の目的は目が開きにくくて視野が狭い、見えにくい、眼を開けようとして辛い、などの症状の改善です。当院では美容目的の手術は行っておりませんのでご了承ください。

瞼(まぶた)の手術には大きく二つの方法があります。挙筋前転術と皮膚切除術です。いずれの方法を用いるかは、医師が瞼(まぶた)の状態を確認して見極めます。

・挙筋前転術
瞼(まぶた)を挙げる筋肉が伸びてしまい、眼が開きにくくなった場合に用いる方法です。筋肉を縫い縮めて瞼(まぶた)が開くようにします。

・皮膚切除術
瞼(まぶた)は開いているけれど、瞼の皮膚がたるんで覆いかぶさってくるために眼が開かない、見えにくいと感じる状態の場合に用いる方法です。あまった皮膚を切って短縮し、眼を開いたときに皮膚がかぶさらないようにします。眼の縁(二重瞼の線のあたり)から切って手術する方法と、眉の下から皮膚を切る方法があり、それぞれメリットとデメリットがあります。

眼の縁(二重瞼の線のあたり)から切る場合は、手術後の傷跡が比較的目立ちにくいというメリットがあります。ただし、手術後も瞼が腫れぼったい感じが残るというデメリットがあります。これは、眼の縁の皮膚と、その上の部分(眉に近い部分)で皮膚の厚みが異なるためです。瞼(まぶた)の皮膚は眉に近いほど厚く、眼の縁に近いほど薄くなっています。眼の縁から切って皮膚のたるみを処理した場合、手術後に眉の近くの分厚い皮膚が下りてきて、腫れぼったい眼になります。

眉の下から切って皮膚のたるみを短縮する場合は、手術後の見た目が比較的すっきりしているというメリットがあります。
ただしデメリットとして、眉の下にできる傷跡が術後の数ヵ月ほどは目立つということが挙げられます。しかしこの傷も半年から1年程度で目立たなくなりますし、眼鏡をかければフレームで傷が隠れて、他の人からは殆ど気付かれないとおっしゃる方もいます。

望月眼科では保険診療で手術を行っております。目が開きにくくて視野が狭い、見えにくい、目を開けようとして辛い、などの症状がある方にのみ手術を行っております。 美容目的の手術は行いませんのでご了承ください。

  • 手術前
  • 手術後

合併症について

瞼(まぶた)を上げる筋肉が弱い方は術後十分に瞼(まぶた)が上がらないことがあります。

また、術後左右の目の大きさがやや違ったりします。 ワーファリン等の「血が止まりにくくなる薬」を服用されている方は術後皮下出血が生じやすく、瞼(まぶた)がしばらく腫れることがあります。

手術をお考えの方へ

手術して瞼(まぶた)が閉じなくならないか、左右の眼の大きさが違ったりしないか、とのご質問をよく受けます。 基本的に手術中に瞼(まぶた)の上がり具合を確認しながら手術を行い、左右差があったり、瞼(まぶた)が不自然であったりすれば調整しますので、術後に瞼(まぶた)が閉じなくなることはありませんが、左右の眼の大きさを全く一緒にするというのは困難です。そこが気になる方には手術はおすすめしません。緊急性の高い手術ではありませんのでよく検討されてから手術をすることをおすすめします。

手術スケジュール

手術申込み

望月眼科では全て日帰りでおこなっています。通常は1、2か月待ちです。 手術前には手術に際し体の病気が影響しないかどうかなど内科等の医師に問い合わせる場合があります。

術前説明

基本的にご家族と一緒に手術の説明を行います。

瞼(まぶた)が上がると顔貌が変わります。わかりやすく言うと、「目がたれている」というのは「やさしい穏やかな」印象を与えますが、「目元がくっきり」すると「顔がきつくなった、恐くなった、感じ悪くなった」という印象を与えることがあります。また、本人よりも周りの方が慣れない顔に変わるためか、「なんか変」「前の方が良かった」などと言われることもあります。

この手術はやらないといけない手術ではありません。瞼(まぶた)が下がって視界が狭くなる、眼を開けようと頑張るため疲れる、等症状が強い方が上記のように顔貌が変わってでも症状を取りたい、と考える方には良いかも知れません。

また、望月眼科では保険診療で手術を行っていますので、美容目的の手術は行っておりません。

手術当日・手術後

手術は片眼20分ほどで終了します。術後は上瞼(まぶた)にのみガーゼを貼ります。

手術後は翌日、1週間後抜糸、1カ月後、2カ月後、と定期検査を行います。術後数日は洗顔は控えて頂きます。縫合部からの感染や縫合部が開いたりするのを防ぐためです。大体1カ月~3カ月くらいで自然な状態になります。

手術費用

  • 1割負担:片眼6,500~7,700円程度
  • 2割負担:片眼13,000~15,400円程度
  • 3割負担:片眼19,500~23,000円程度

高額療養費について

ひと月の医療費が一定の額を超えた場合、高額療養制度のご利用により、超過分が戻ってきます。詳細については下記へお問い合わせの上、適宜お手続きください。

  • 国民健康保険の方
    各市町村の国民健康課
  • 政府管掌健康保険の方
    全国健康保険協会

眼瞼下垂についてのよくある質問

手術したら眼がぱっちりなりますか?

ほとんどの方は問題なく眼が開くようになりますが、瞼(まぶた)を上げる筋肉(挙筋)自体が非常に弱っている方は瞼(まぶた)の上がりが弱いことがあります。挙筋の機能を精一杯使っても瞼(まぶた)が上がりにくい方は額の筋肉を使って眼を開けるという別の手術が必要となります。

手術後眼が腫れますか?

麻酔の注射で皮下出血(青タン)が起こることがあります。程度にもよりますが、1~2週間で目立たなくなります。

術後に顔がきつくなった方がいますか?

垂れ下がった目元というのは優しい、穏やかな印象を与えます。それが垂れ下がった目尻がぱっちりとなり、一重だった人が二重まぶたになると、よく言えば「きりっとした目元になり若返った」ともいいますが、見慣れないせいもあり「手術して顔がきつくなった、前の方がよかった」というとらえ方にもなります。

また、腫れぼったい目というのは術後どうしても不自然さがとれない場合がありますのであまり手術を勧めておりません。 ここは重要なポイントなのでしっかりと理解した上で手術を検討してください。

抜糸は痛いですか?

痛くありません。

洗顔はいつから良いですか?

数針縫合しますが傷が開かないようバイ菌が入らないよう抜糸するまでは1週間洗顔はすすめません。首下シャワーは翌日から可能です。

手術した後、どのくらいすると自然な状態になりますか?

大体1ヶ月で目立たなくなります。3ヶ月くらいすると自然な状態になり分からなくなることがほとんどです。

腫れぼったい目だが、すっきりとした目になりますか?

目は開くようにはなりますが、上記のように腫れぼったい目の方はどうしてもはれぼったさが残る場合が多いです。パッチリした目になるのは難しいです。

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