小切開硝子体手術

硝子体とは

硝子体は眼球内部の大部分を占めているゼリー状の組織で、その成分は99%以上が水分です。それ以外は主に硝子体線維とヒアルロン酸で構成され、前部硝子体と後部硝子体に分けられます。

硝子体の主な役割は、眼球構造を保ったり、外部からの衝撃を吸収して眼球を守ることです。一方で、炎症を起こす物質や老廃物が貯まる場所でもあります。硝子体に濁りが生じると飛蚊症の原因になることがあります。

硝子体手術(25G・27G)

25G・27G硝子体手術とは

硝子体手術は、糖尿病網膜症や網膜剥離などの網膜硝子体疾患に対して行う手術であり、眼科の中で最も高度な技術と豊富な経験を要する手術分野のひとつです。近年、診断機器の進歩により網膜硝子体疾患の病態の理解が深まり、また手術装置や器具の改良により硝子体手術の安全性が向上しています。以前は諦めるしかなかった病気でも、硝子体手術で最近治るようになった病気もあります。さらに白内障手術も同時に行うことができるため、白内障進行例においては更なる視力改善が期待できます。硝子体手術は、病気を治すというレベルから、裸眼視力の向上など、より高い視機能を目指すという時代に入っています。

白内障手術についてはこちら

硝子体手術の主な対象疾患

黄斑上膜(黄斑前膜)、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、網膜剥離、黄斑円孔、硝子体出血、硝子体混濁、ぶどう膜炎、加齢黄斑変性、眼内レンズ脱臼、増殖硝子体網膜症など

望月眼科の硝子体手術システム

望月眼科では、高い信頼性と実績を誇るアルコン社コンステレーション手術装置に25Gと27Gシステムを組み合わせて網膜硝子体手術を行なっております。27Gというのは、27Gauge(ゲージ)の略で、手術を行う際に眼球に開ける穴(ポート)の大きさを表しています。つまり27G=0.4mmの穴の大きさで行われる手術が、27G硝子体手術です(25Gは0.5mmです)。現時点で、実際の臨床で使用できる最小サイズの術式です。穴が小さいため、眼への負担やストレスが少なくなり、術後の乱視や炎症に対しても有利です。また創口は基本的に縫いませんので、術後の眼のごろつきが少なく、より短時間での手術が可能です。

手術方法は、局所麻酔で眼球に3か所の穴(ポート)を開けて行います。1つめの穴(ポート)には、インフュージョンチューブという灌流ラインを設置します(図A)。これにより、常に眼のなかに人工の硝子体液が供給され、眼の圧力を一定に保つことができます。また別の穴(ポート)からは、照明用の器具を挿入し、眼内を明るくします(図B)。残りの穴(ポート)からは硝子体カッターと呼ばれる器具を挿入し、ゼリー状の硝子体や出血を切除しながら吸引します(図C)。また必要に応じて、剪刀(ハサミ)や鑷子(ピンセット)を使用して網膜と癒着した増殖膜を取り除いたり、レーザー器具を挿入して眼内にレーザー光凝固を行ったりします。また手術終了時には通常人工硝子体液を満たして終わりますが、網膜剥離などがある場合は空気あるいは長期滞留ガスを注入することもあります。これらの気体は、眼内で産生される房水によって数日から数週で置き換わります。さらに眼の内側から網膜を長期間押しつけたい場合は、ガスではなくシリコンオイルを注入し、1~2か月後に抜く手術を行います。

手術スケジュール

手術申込み

手術申込み
望月眼科では、硝子体手術は日帰りでおこなっています。通常は約1か月待ちですが、網膜剥離など緊急性が高い病気は、早急に対応致します。手術前には術前精密検査の他、体の病気が手術に影響しないか内科等の医師に問い合わさせて頂きます。
手術前の点眼
手術前から、抗菌剤を点眼して頂きます。1回につき1~2滴を点眼してください。
手術当日
手術の約1時間30分前までに来院して頂きます。手術当日の朝食は通常通りで構いません。昼食は軽めでお願い致します。血圧計などを装着しますのでゆったりした服装でご来院ください。お化粧はお控えください。また、ご自身で車やバイクを運転して来院することはお控えください。手術終了後、しばらく院内で休息して頂いたのち、保護眼帯を装着したまま、お帰り頂きます。黄斑円孔、網膜剥離などの病気は、術後にうつ伏せなどの体位制限が必要になることがあります。術後に緊急連絡先をお伝えしますので、痛みなど何か異常を感じましたら、いつでもご連絡ください。

術後検診

手術翌日は朝一番の診察になります。眼帯は術後3日間装着して頂きます。その眼帯の上から保護用メガネを装用してください。尚、保護用メガネは1週間装用してください。
激しい運動、飲酒、長期の旅行などは医師の許可が出るまでお控えください。術後3日間、1週間後、2週間後、1カ月後、2カ月後以降は適宜、診察と検査を行います。
万が一、異常を感じた場合は決められた受診日以外でも早めに受診するようにしてください。

手術の合併症について

手術後は眼が赤くなったり、点眼薬がしみたり、コロコロしたりします。病気によって異なりますが、視力が安定するまでに数か月かかる場合があります。まれな合併症として網膜剥離や感染をおこすことがあり、その際は再手術が必要になります。

手術費用

  • 1割:片眼42,000円程度
  • 2割:片眼84,000円程度
  • 3割:片眼123,000円程度

高額療養費について

ひと月の医療費が一定の額を超えた場合、高額療養制度のご利用により、超過分が戻ってきます。詳細については下記へお問い合わせの上、適宜お手続きください。

  • 国民健康保険の方
    各市町村の国民健康課
  • 政府管掌健康保険の方
    全国健康保険協会

生命保険について

生命保険にご加入の方で、契約内容によっては給付金を受け取れる場合があります。まずはご自身のご加入している生命保険会社にご確認ください。

※診断書を作成する場合は、一通につき5,500円(税込)がかかります。

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